GITADORAを再開しようと思い専用PCを立ち上げたらWindows10だった。サポートが終了する旧世代OSを使い続けるのは避けたいが、ゲーム専用機のためにWindows11を買うのも無駄なので、Linuxをインストールしてみることにした。SteamDeckでLinuxゲーミングが実用的なのは経験しているのでSteamOSを入れたかったが、まだ任意のPCへインストールはできないようだ。よって、SteamOSと同じコンセプトのBazziteをインストールしてみた。

Bazziteを選ぶポイントは、Windowsゲームを動かすために必要なランタイムがプリインストールされ、システムも最適化されていることだ。最近はProtonでランタイムはコンテナ化され環境差異の影響を受けにくくなっていると思うが、楽できるに越したことはない。普段からLinuxのCUIは開発で触っているがGUIはまったく触っていないので、そのへんで苦労したくなかった。また、システム領域がイミュータブルになっており、アップデートが壊れにくくロールバックが簡単なのも気に入った。普段から環境の再現性にこだわってPCを使っているので、このイミュータブルな仕組みは自分の理想型だ。

Bazziteのインストールで気をつけるのは2点だけ。インストール言語は英語を選ぶこと。でないと Downloads などの規定ディレクトリが ダウンロード のようにローカライズされてしまって無茶苦茶使いにくいし後から変えるのは大変そうだった。インストール後に言語設定を日本語に変えれば良い。あと、作成するユーザーも初期はbazziteになっているが、この名前を好きに変えて普段使いにしてよさそう。

そんなこんなでBazziteでGITADORAを完全に動かすところまでできたので、ツールにして公開した。使い方はリポジトリのREADMEを参照してほしい(英語だが)。

https://github.com/atty303/konaste-linux

単純なスクリプトだがもう現代においてBashは負の遺産すぎて使いたくないのでDenoで書くことにした。deno compileで簡単に単一バイナリを吐いてくれるので配布しやすくて良いし、Nodeと比べてnode_modulesでプロジェクトディレクトリが散らからず単一ファイルでも使いやすいのでスクリプト向きだ。daxを使えばシェルスクリプトでやっていたようなことは同じぐらい簡単に素直に記述できる。

ちなみに、Lutrisを使うと設定変更が楽でいいのでは、ということでLutrisベースでやっていたが、これが間違いで様々な問題に遭遇した。

  • 日本語フォントがなくインストーラが豆腐になる
  • ランチャーからの初回アップデートが途中で失敗する。2025/07/07の小さなアップデートは問題なかった。初回だけProtonではなくWineでアップデートまで実行する
  • デフォルトのWineだと本体起動後に黒画面で固まる
  • SETTINGアプリが.NET WPFでエラーを起こし起動しなくなる
  • 動画ロードに失敗し10秒ほど固まる。ゲームは動くが背景動画が表示されない

これら全てはumu-launcherと最新のGE-Protonを使うだけで全て解決した。Lutrisも内部ではumu-launcherを使っているのに何故違うのだろうか……。(Lutris自体は普通のゲームで使うには便利なので今後も使うが)

自分はLENOVO ThinkCentre M715qというミニPCで動かしている。6年前ほどに購入したもので、当時でも低スペックだったが今見るとかなり低スペックだ。

  • CPU: AMD Ryzen 5 PRO 2400GE (8C 3.20 GHz)
  • GPU: AMD Radeon Vega 11 Graphics
  • RAM: 8 GB

とはいえこれでもGITADORAは完全に動作する。OBSはわからないがそのうち試してみる。今から買うなら Minisforum AI X1のベアボーンがいいと思う。同じRadeon 780MのPCでINFINITASとSOUND VOLTEXも120fpsで動くのを確認しているので、こちらでも十分ははずだ。

INFINITASとボルテもそれぞれ専用PCとWindows11で動かしているが、これらもLinuxにしてみようと思う。Power Automateがいまいち不安定でワンボタン起動が安定しないので、なんとかしたいと思っていた。GITADORAは下手なので音や描画の遅延もいまいち判断つかず評価できないが、ボルテはやり込んでいるのでプレイ感覚の違いを評価できると思う。